地図では 周りに銭湯が見当たらない。大きな煙突がのびのびとしている。昔からあるような雰囲気だ。
スマホのマップは本当にすごい間違うことなく案内してくれる。
サウナがあるので頼むと 大きな黄色いタオルを出される。 洗い場はどちらかと言うと狭い。 しかしサウナは立派。中は広いし綺麗だし、周りは木で覆われ本格的だ。 そうは言っても銭湯仕様だから、2×2x3mくらい。
常連だろう人が、ペットボトルの水を置いて、本を読み始めた。なかなか良いではないか。
天井を見ると古い様式の銭湯だということがよくわかる。白く塗られた ペンキが剥げているところも昔風だ。 何より大きな富士山が描かれているところも 素晴らしく昔風だ。
これほど大きな富士山も珍しい。富士山は、女湯と男湯を ひとつのキャンバスとして描かれている。はじっこのペンキの剥がれたところから昔の絵が見えているところも 面白い。
銭湯の絵を描く職人は、今では少なくなっていると思うから、この絵はとても貴重なものだと思う。
サウナのタオルは、下足の鍵と交換だ。 帰り際返された下足の鍵で開けてみたら見たこともない靴。そういえば44番だった。
「違ってた。」「ああごめんなさい」
「サウナ、素晴らしいですね。」「そうですか。古いんですけど。」
なるほどね。古いサウナだからこそしっかりとした作りだったのだろう。最近の銭湯は後から無理矢理付けた狭いところが多い気がするから。
ただビールが置かれてなかったのはちょっと残念。


